「あんた、何を言ってるの。年齢だって釣り合わないわよ」仕事一筋に生き、完璧なキャリアを築いてきた51歳の真由美。
年下部下の悠真から告げられた情熱を一度は冷徹に拒むも、半年後の夜、二人の境界線は崩れ去る。オフィスでは上司と部下、プライベートでは肌を重ね合う濃密な関係。50代から始まる、甘美な「二重生活」の記録。
プロローグ:完璧な上司の、完璧な日常
51歳の私、真由美(仮名)は、広告代理店のクリエイティブディレクターとして、文字通り「仕事と結婚」したような人生を送ってきた。
独身、都心のマンションは完済済み。完璧に整えられた私の世界に、32歳の部下・悠真(仮名)が配属されてきたのは一年前のことだ。
彼は、どこか頼りない。仕事は丁寧だが、土壇場での押しが弱く、いつも私の顔色を窺っているような後輩。
「もっと自分の意見を通しなさい。プロでしょ」
何度そう叱咤しただろうか。けれど、そんな悠真と過ごす時間は、私にとって最も「肩の力が抜ける」時間でもあった。
若いくせに古風な気遣いを見せる彼を、私はいつしか弟のように、あるいは優秀な道具のように可愛がっていた。
第1章:一蹴した「告白」
半年前、大きなプロジェクトの打ち上げが終わった夜のことだ。 二人きりになったタクシーの中で、悠真が突然、震える声で言った。
「……ずっと、一人の女性として見ていました。真由美さんが、好きなんです」
夜の街灯が車内を掠め、彼の必死な横顔を照らした。
私は鼻で笑い、窓の外を見たまま、氷のように冷たい声で突き放した。
「あんた、何を言ってるの。私たちは上司と部下。第一、年齢だって20近く離れている。釣り合わないわよ」
残酷な言葉だったと思う。翌朝、彼は何事もなかったかのように「おはようございます」と挨拶し、完璧に仕事をこなした。
私もそれを望んでいたはずだった。――なのに、それ以来、会議で彼と目が合うたび、私の胸の奥がわずかに疼くようになった。
一蹴したはずの彼の熱が、私の冷え切った日常に小さな綻びを作っていた。
第2章:半年の静寂と、バーの夜
あの日から半年。再び大型プロジェクトが無事に成功し、喧騒の中でのチーム打ち上げが終わった。
私は一人、行きつけの地下にあるオーセンティック・バーで、自分への労いとして重めのウイスキーを傾けていた。琥珀色の液体越しに、自分のこれまでの人生を反芻する。地位も名誉も手に入れた。
でも、この静寂を埋めるものは何もない。
そこへ、悠真からLINEが入った。
『部長、本当にお疲れ様でした。もしよかったら、プロジェクトの中心、リーダーと僕だけで……二人だけの打ち上げをしませんか? 』
少し迷ったが、彼の貢献度は高かった。それに、今夜の孤独は少しだけ深すぎた。
「いいわよ、いつもの店に来て」
現れた悠真は、半年前に告白したときとはどこか違う、落ち着いた男の顔をしていた。
最初は仕事の総括。けれど、二杯目のグラスを空けたあたりで、彼が静かに身を乗り出してきた。
「半年経ちましたけど、諦められなかったんです。部長としてではなく、……真由美さんに触れたい。あの日言われた『釣り合わない』という言葉を、僕なりに乗り越えようと必死でした」
あまりに真っ直ぐな、射抜くような視線。51歳の理性が、内側からミシミシと音を立てて崩れていく。
「……生意気ね。あんた、後悔しても知らないわよ。家で飲みなおしましょ」 気づけば私は、彼をタクシーに押し込み、自分のマンションの住所を告げていた。
第3章:禁断の境界線を越えて
マンションの重厚なドアが閉まった瞬間、背後から悠真に強く抱きしめられた。
「真由美さん……」
耳元で囁かれる、低く、湿り気を帯びた声。 いつもは指示を仰ぐはずの部下の腕が、今は私を逃がさない檻のように力強く、男の体温を伝えてくる。
「いいの……? 私、あんたの上司よ。明日からどんな顔して会えばいいの……」
理性が最後の手綱を引こうとする。けれど、悠真は私の言葉を遮るように、うなじに顔を埋めた。
「今は、ただの男と女です。部長なんて呼ばない。それ以外、何も言わないでください」
剥き出しの欲望のままに、私たちはリビングのソファに崩れ落ちた。
久しぶり他社から触れられる肌。最後に誰かと肌を重ねたのは、もういつだったか思い出せないほど遠い過去だ。仕事に没頭し、独りで生きていくと決めてから、私のカラダはすっかり乾燥した砂漠のようになっていた。
けれど、悠真の若くしなやかな指先が私の肌を滑るたび、枯れていたはずの細胞が一つずつ、悲鳴を上げるように目覚めていく。
「……っ、そんなところ……」
「真由美さん、あなたのカラダがこんなに熱いこと、知っていましたか?」
悠真の視線が、私の老いへの恐怖を、年齢という呪縛を、すべて暴いていく。
51歳のカラダを見られる気恥ずかしさと、それを上回るほどの「求められている」という強烈な陶酔感。
彼の手が触れる場所から、私の積み上げてきたキャリアも、プライドも、氷のように溶けて流れ出していく。
「ずっと、こうして触れたかった。仕事をしているときの厳しいあなたも、今、僕の腕の中で震えているあなたも、全部僕だけのものにしたい」
悠真の吐息が首筋にかかり、彼の心臓の鼓動が背中越しに響く。若さゆえの荒々しさと、私を壊さないようにという繊細な慈しみ。
その両方に翻弄されながら、私は彼を拒む術をとうに失っていた。閉ざしていた感情が、洪水のように溢れ出す。
「……悠真、私を壊して。上司でも何でもない、ただの私に……」
その夜、私は51年生きてきて初めて、自分の「女」としての奥底にある真実を知った。
暗闇の中で重なる二人の影。年齢や立場という重い鎧を脱ぎ捨て、ただ互いの存在を貪り合う時間は、あまりにも濃密で、苦しいほどに甘美だった。
窓の外の都会の夜景さえも、今の私たちにとってはただの背景に過ぎない。
私のカラダは、彼という新しい命を吹き込まれ、かつてないほどの熱を帯びて燃え上がっていた。
エピローグ:オンとオフの秘密
翌朝、オフィスに出勤した私は、いつも通り厳しい顔で彼に指示を出した。
「この修正、15時までに終わらせて。質が落ちてるわよ」
「承知しました。部長。すぐに取り掛かります」
彼もまた、完璧な部下の顔で微笑み、周囲には微塵も隙を見せない。
けれど、私たちのスマホの裏側には、仕事の連絡に混じって「今夜、いつもの場所で」という短いメッセージが刻まれている。
デスクの下で一瞬だけ触れ合う視線。それは、昨夜の情事の残香を共有する二人だけの秘密の合図だ。
会社では、尊敬すべき上司と、期待の若手部下。プライベートでは、互いの渇きを埋め尽くすほどの、歳の差を超えた激しい恋人。
この「禁断」のスパイスが、私の枯れかけていた人生を、かつてないほど鮮やかに、艶やかに塗り替えていく。51歳。女としての本当の「物語」は、深夜のオフィスを抜け出し、彼にその身を委ねたあの夜から始まったのだ。
50代、再び「一人の女性」として輝く悦びを。立場や年齢という鎧を脱いで、ありのままの自分を愛してくれる人がいたら?今のあなただからこそ放てる美しさを、全力で受け止める存在がいます。一度きりの人生、心のままに熱く。さあ、最高の物語を今から始めましょう。

