部下の怠慢な振る舞いには、注意したり、ときには怒ったりする必要があります。
しかし、部下のそういった振る舞いを注意できなくて悩んでいる上司の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
部下に注意できない上司は、なぜ注意しないのかと問われると「パワハラって言われたら困る」と答えます。
しかし、実際には「嫌われたくない」や「なんて言って注意していいのか分からない」など、部下に注意できなくて悩んでいるとういうことがほとんどです。
この記事では、なぜ部下に注意できないのかと、どのように注意するべきかを考えていきます。
部下に注意できない上司の言い訳
部下に注意できない上司は、なぜできないのでしょか。
私が過去にさまざまな「上司」といわれている人たちから聞いた話や経験したことから、部下に言えない上司の言い訳を紹介します。
「パワハラって言われたら困っちゃうよ」
会社の仕事が怠慢な社員に対し注意するのは、上司にとって重要な仕事です。
その行為を「パワハラだと言われる」と考えているわけがありませんし、何年会社員やってるの?ということではないでしょうか。
上司になるような人間が、パワハラと会社のために部下を注意する区別がつかないわけがありません。
「泳がせてるだけだ」
泳がせてどうするつもり?今までの会社員人生で、怠慢な部下を泳がせて改善できたのでしょうか。
泳がせている間も部下の怠慢は続きます。そして、その間も会社は動いているのではないでしょうか?
上司も会社員です。会社員は会社のために部下を会社にマッチした人材にする必要があります。
「あいつ自身が気づかないと、損するのはあいつだから」
上司だって会社員なのですから、自分の部下を育てて会社に貢献させる必要があります。
仕事の怠慢は、気づくのを待つというより正してやる必要があります。
本人が一番損をするかもしれませんが、会社が損をするということも考えなければいけません。
注意できない上司の本当の理由
部下に注意できない上司の、本当の理由はどのようなことなんでしょうか。
良い人と思われたい
とにかく、嫌われたくないということではないでしょうか?
部下に嫌われないことこそが、良い上司と思っているのです。
どう注意していいのか分からない
人に注意したことのない人が、部下を持つようになると起きてしまうことです。
こういった人の特徴は、部下を気にしないで黙々と仕事を進めてしまうことがあります。
上司は、その仕事を部下に教えて経験させなければいけません。
しかし、怠慢な部下にどう伝えていいのか分からず、溜まっていく仕事を自分でこなすだけになってしまうのです。
なにか言われたらどうしよう
部下に注意して言い訳ばかりされたときに、上手く受け答えができのるか、自信がないということです。
口達者な部下に、もっともらしいことで論破されたら上司として恥ずかしい、ということでしょうか。
さらに、じゃあ辞めますって言われたらどうしよう、ということも考えてしまうのです。
部下を注意するための意識
注意できる人は余計なことを考えなくても、しっかりと部下を注意し怒ります。
しかし、部下を注意したくでもできない…。そのような上司は、どのような考えを意識して注意すべきなのでしょうか。
そして、どのような方法で部下を注意するべきなのでしょう。
ここでは、部下を注意するためのポイントなどを紹介します。自分は会社員だということを、強く意識して読み進めましょう。
会社員という意識
会社員の究極の業務は、先輩からの教えを部下に伝え会社を存続させることです。
会社から任命されて上司という立場になった会社員は、部下の怠慢を見逃すのは上司の怠慢ってことになります。
上司は会社員なので会社のために部下を成長させる必要があり、会社を存続させ未来へつないでいくためには部下の成長が不可欠です。
怠慢な社員を放っておいて、全く仕事をしない社員にさせるのは上司の責任になります。
仕事をしない社員への言葉で「給料貰ってるんだから仕事しろ」とよく聞きますが、注意できない上司もこの言葉を意識するべきです。
嫌われる意識
もちろん、意識して嫌われるという意味ではありません。
部下を注意すると嫌われる「だから注意できない」と考えているなら、その考えは捨てるべきですし、捨てられないなら上司を退くべきです。
会社じゃなくてもどんなシーンでも、注意したり怒ったりすると嫌われるのは当然ではないでしょうか。
そのため、多少なりとも会社の上司というのは嫌われるのが当たり前なのです。
しかし、よく考えてみてください。
上司に嫌われた部下の方が、今後の会社員人生は明るいものにはなりません。
部下が仕事の怠慢で注意されたのに、勝手な感情で注意した上司を嫌っているということです。人を嫌うとその相手に嫌われます。
その部下は、上司に嫌われてしまうことすら、考えられていないような人間なのです。
常識で考えられないような間違った注意をしていないのであれば、部下に嫌われるなど気にすることでは全くありません。
部下を注意するポイント
部下を注意するには、改善させる必要があります。どこにポイントを置いて注意すべきなのでしょうか。
なぜ注意されたか理解させる
「どうして注意されたかぐらい部下も分かっているはずだ」と考えている上司が、ほとんどではないでしょうか。
しかし、本当に分からないという部下もいるのです。
注意された意味を理解させないと、「機嫌が悪いときに八つ当たりされた」などと考え、さらに怠慢になってしまう部下が出てきてしまいます。
他人からはもちろん、親からまで注意されたことのない部下も少なくはないようです。
会社には本当に色々な人が入ってきますので、「何やってんだ」や「真面目にやれ」という言葉では驚かれるだけで伝わりません。
何に対して注意されているのか理解している人には、怒り口調でも伝わります。
しかし、理解していない人には、怒り口調では改善してもらいたくて注意されていることを理解してくれないのです。
そういった部下には、怒り口調より語りかける感じで注意し理解させることが大切ではないでしょうか。
どうして欲しいか理解させる
これも、それくらい分かってる。と思うことですが…。
注意したと同時に、今後はどうして欲しいかも伝える必要があります。
ここまでする必要ある?と思うかもしれませんが、ここまで伝えることが大切です。
とにかく注意される社員は、自分から行動することをしないので、その行動するということを、わざわざ教える必要があるのです。
注意だけではその場での嫌な出来事、として完了してしまいます。
そこへ、次の行動のきっかけを部下に伝えることが大切となるのです。
上司は嫌われて当然?人それぞれの常識は異なる
新入社員や若い社員は自分たちと育ってきた社会環境が違い過ぎるので、いちいち発言や行動を気にしていては、同じ会社で仕事をするのが難しくなります。
とにかく、人それぞれ異なる常識があると理解することが重要です。上司の考えすべてを押し付けると上手くいかないケースが増えてしまいます。
また、「部下たちが上司の悪口を言う飲み会で、名前が出てこないような上司にはなるな」や、「部下と仲良くなっている上司は、部下の思い通りに動かされている上司だ」などの意見も少なくありません耳にすることがあります。
上司は嫌われてなんぼ?という考えの人も少なくないのです。
しかし、今も昔も人それぞれ感じ方が違うのも確かです。注意されただけで殻に閉じこもってしまう部下もいるので、それぞれに合った注意の仕方も考える必要があるのかもしれません。
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まとめ
部下を注意できない上司の言い訳と、注意できなくて悩んでいる上司がどう部下を注意するべきかという内容でした。
ここで紹介した内容が正しいのかは分かりませんし、職種や仕事の進め方など、会社によっても違うでしょう。
しかし、会社員の目的はさまざまありますが、究極は「仕事を伝え会社を未来へつなぐこと」と考えれば、後輩社員や部下を注意しなければいけないシーンは避けることはできないということです。