退職には、「どうすれば家族を説得できるか」という問題があります。当然ですが「会社を辞めたい」と家族にいきなり相談しても、ほとんどの場合は反対されるでしょう。
家族持ちの会社員で自分の収入が家計を支えている人の場合は、自分の考えだけでは会社を辞められないのが一般的です。
私は以前、長年お世話になった会社を辞めました。
当時、上司や同僚などによく質問されたのが、会社を辞めることについて「奥さん、何ていってた?」です。
家族が説得できずに会社を辞められない人も多いのではないでしょうか。
このページでは、私が実践した「会社を辞めたいことを、家族に相談した具体的な例や方法」を紹介します。
退職を反対されず家族を納得させるための2つのポイント
退職を家族に反対されず納得させるには、以下の2つポイントを理解したうえで相談しましょう。
- 家族は(一般的には)退職を、どう考えているかを理解する
- 最初に家族へ退職を相談することが、なぜ重要なのかを理解する
家族は(一般的には)退職を、どう考えているかを理解する
まず、会社を辞めることは家族にとって常識ではないことを理解しましょう。
- 仕事は辞めないのが常識。家族はあなたが退職するなど想像していない
- 会社が嫌などネガティブな理由では伝わらない
- 「やりたい仕事がある」などポジティブな理由を伝える
毎月安定した収入を得て家計を支えている人が「会社を辞めたい」と伝えたとします。家族は動揺し、あなたは不信感を抱かれてしまうでしょう。
「定年退職まで会社は辞めないもの」というのがまだまだ一般的な考えなので、家族にとっても退職は非常識です。そのため、まったく理解してくれません。
そこで重要になるのが退職したい理由の伝え方です。
あなたが会社を辞めても「家族の生活は変わらない」と自信を持って説明する必要があります。
家族1人ひとりに学校や仕事などそれぞれの私生活があるので、「こんなに会社を辞めたいのに何でわかってくれないんだろう」と考えても、家族にはまったく伝わりません。
そのため、退職したい理由に「会社が悪い」や「仕事がツラい」などを並べても「誰にでもツライことはある」と取り合ってくれません。
したがって、家族に「会社を辞める」と伝えるときは、前向きな意見をいうことがポイントです。
誰よりもまず家族に退職を相談する意味を理解する
退職を相談する最初の相手は家族です。家族の理解を得られない退職は避けましょう。
- 退職の相談は、まず同居家族にする
- 家族にも外出先での生活があることを理解する
- 家族に相談なく自分だけで話を進めない
気をつけたいのは、一番最初は誰よりも家族に相談することです。極端にいえば生計を共にする家族以外へ相談する必要はありません。
以前、私が勤めていた会社で退職した人の話ですが、結婚し子供もいるのに別居する自分の両親だけに退職を相談、その父親が次の就職先まで決めてしまったということがありました。
その結果、再就職先に勤務するため両親の住む地域に引っ越しすることになったのです。
もちろん、事後報告された奥さんは大激怒。その後どうなったかはわかりませんが、まったく家族の私生活や人生を無視した行動といえます。
家族にもあなた同様に私生活があり、その人生を自分の都合だけで壊すのは、いくら家族でもやってはいけません。
誰よりも、まずは同居家族に相談しましょう。
家族に退職を伝える具体的な方法・体験談と例も紹介
前述した内容から、家族へ退職を相談するは前向きに計画性のある話で伝えることが重要です。
ここでは家族に退職を伝える方法のほか、私が家族へ相談した内容や相談したときに感じたことなども紹介するので参考にしてください。
退職理由は前向きに!タイミングは1年以上前
家族に退職を伝えるなら、以下のことを意識しましょう。
- ネガティブ理由は話すら聞いてもらえない
- ポジティブ理由なら聞いてくれる可能性がある
- 計画的な退職であることをアピール
- 可能なら退職予定の1年以上前に伝える
会社や会社の人へのネガティブな感情を退職理由にしてはいけません。
それらの理由で相談すると、将来まで不安にさせてしまいます。
ネガティブ感情で会社を辞めると、家族は「転職先でも同じことになるのでは?」と不安になるのです。
そのため、話すら聞いてくれません。
ポジティブな退職理由なら、話くらいは聞いてくれる可能性があります。
また、「退職したら何をして収入をどれくらい得られるのか」具体的なプランを家族に伝えるようにしましょう。
退職金を計算しておき、何カ月間は安定して生活できるなど計画性がある退職であることも伝え、家族を不安にさせないことが大切です。
そして、退職したい時期の1年以上前には、家族に伝えるようにしましょう。
私が家族へ退職を伝えた体験や例
私はおもに以下の内容を伝えました。
- 会社に不満があって辞めるわけではないこと
- やりたい仕事があること
- やりたい仕事をすることでどのような良い効果があるか
- やりたい仕事でどれくらいの収入を見込んでいるのか
- 退職金の金額
- 退職金や失業手当などで何カ月生活可能か具体的な数字
- 通勤することで発生している食事代や交際費、交通費諸々の金額(退職後必要なくなる)
数字を具体的に説明できると、説得できる可能性がかなり上がると思います。
また、会社へ通勤するだけで意外と多くのお金が掛かっていることを伝えるのも効果的です。
突発的に退職を考えたのではなく、しっかりと計画された退職であることを伝えるようにしましょう。
まとめ:家族に退職を相談するなら前向きな理由を!
まず第一に家族の生活や将来を考えずに退職してしまうのは無謀です。
しかし、どうしても会社を辞めたいという気持ちはわかります。私もそれで会社を辞めました。
最終的に退職を決意したときは前向きな気持ちでしたが、辞めたいと考えたきっかけはやはり「仕事がつらい」などのネガティブな感情です。
普段から家で会社の愚痴をいってるようなら、家族を説得するのは難しくなります。
退職を考えているあなたは、本当に苦労してつらいことは間違いありません。
しかし、家族は同じ経験をしてないので「何故わかってくれない?」といっても理解してもらうのは難しいでしょう。
理解してもらうポイントは、会社を辞めることで今よりもどう良くなるのかを家族にイメージさせることです。新しいスタートを切るためにも、具体的なプランを説明できる準備を進めましょう。