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【2022年】失業給付金の受給条件とは?雇用保険や失業手当とは何?計算や手続き方法

【2022年】失業給付金の受給条件とは?雇用保険や失業手当とは何?計算や手続き方法働き方を考えるブログ

退職した後に貰えるお金として思いつくのは「失業給付金」ではないでしょうか。

初めて退職する会社員にとっては、「自分はもらえる?対象者?」「手続きは?」「いくらくらい貰えるの?」など、さまざまな疑問や不安があるでしょう。

このページでは、失業給付金とは何かを解説したうえで、計算や手続き方法などを紹介します。退職を考えているなら、ぜひ参考にしてください。

失業給付金の基本手当の目的とは?保険料率と計算例

失業給付金は、失業手当や雇用保険などさまざまな名で呼ばれていますが、どれも同じ意味で考えても間違いありません。失業給付金は、雇用保険の一部と認識しておきましょう。

雇用保険とは、従業員を雇う事業主に対し、原則として強制適用される保険制度です。

その雇用保険の一部である「失業等給付」には以下の4種類があり、それぞれの内容は以下のようになっています。

失業等給付の種類給付内容
基本手当休職中にもらえる失業手当
求職促進給付主に失業手当受給者が再就職した際に受けられる手当
教育促進給付特定講座などの受講料支援
雇用継続給付高年齢での賃金低下、育児や介護での休業者への給付

ここのページで紹介していくのは、失業等給付の基本手当です。

失業給付金の基本手当支給目的

厚生労働省では基本手当の支給目的を、被保険者が失業中でも生活費を気にすることなく再就職活動ができるようにするためとしています。

失業給付金の被保険者とは、企業に所属し保険料を納めている、または納めていた会社員などです。

令和4年度(2022年度)の雇用保険の保険料率と計算例

保険料は、会社(事業主)と自分(労働者)の双方が負担するものです。

令和4年(2022年)10月から、労働者負担と事業主負担の保険料率が変更になります。

令和4年(2022年)10月1日 〜 令和5年(2023年)3月31日までの雇用保険料率は以下の通りです。

会社負担自分負担合計
一般の事業8.5/1,0005/1,00013.5/1,000
農林水産、清酒製造の事業9.5/1,0006/1,00015.5/1,000
建設の事業10.5/1,0006/1,00016.5/1,000

出典:厚生労働省「令和4年度雇用保険料率のご案内

保険料は、給与や賞与の手取り金額に対してではなく、税金などが控除されていない総支給額で計算されます。

対象になる賃金は、基本給やボーナス、通勤手当や残業代などです。反対に対象外となる賃金は、出張旅費や祝い金などとなっています。

詳しくは厚生労働省「雇用保険料の対象となる賃金 」で確認してください。

例:一般事業の計算式

令和4年(2022年)10月から、一般の事業を行っている会社に勤めているなら、以下のような計算で保険料の計算ができます。

【一般事業における雇用保険の保険料率の計算式】

  • 総支給額 ✕ 6.5/1,000 = 会社負担保険料
  • 総支給額 ✕ 5/1,000 = 自分負担保険料

例:一般事業の計算例

例として、総支給額が40万円であった場合では、保険料がいくらになるのかを計算してみましょう。

会社負担保険料の計算例
400,000 ✕ 0,0065 = 2,600円

自分負担保険料の計算例
400,000 ✕ 0.005 = 2,000円

となり、総支給額が40万円だった月には、合計金額4,600円の保険料のうち「2,000円」を自分で支払っていることになります。

失業給付金の基本手当の受給条件|受給資格がないケースも紹介

失業給付金の基本手当は、保険料を毎月支払っていのに受給が認められないケースもあります。

ここでは、受給資格の条件と資格がないケースを紹介しましょう。

失業給付金の基本手当の受給条件

受給資格は、以下のような条件で決まります。

【受給資格の条件】

  • 雇用保険へ加入しており、失業中であること
  • 積極的に就職する意思があること
  • 就職できる能力(健康状態や環境など)がある状態
  • 原則として、離職前2年間に被保険者期間が12カ月以上ある
    賃金が支払われた日数が11日以上ある月が1カ月となる

参考:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~

雇用保険へ加入していたことや離職中であることは当然ですが、重要なのは積極的に就職しようとする意思を示すことです。

そのため、ハローワークでは定期的に就職活動の有無をチェックしています。

失業給付金の基本手当の受給資格がないケース

雇用保険に加入しているにも関わらず、受給されないケースは以下などです。

【受給資格がないケース】

  • 再就職する意思がない
  • 定年退職後、すぐに就職しない
  • 妊娠や出産育児、病気ケガですぐに就職しない
  • 学業や家事に専念するためすぐに就職しない

参考:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~

とにかく雇用保険に加入し失業中であっても、再就職する意思がない人は受給対象にならないということです。

失業給付金を受けられる期間は、離職日の翌日から1年間とされているため、再就職の意思があるなら早めに申請することをおすすめします。

また、「自分は雇用保険に加入してるの?」と不安を感じている人もいでしょう。

従業員が1名でもいれば、雇用保険は事業主が必ず加入させる義務があるため、従業員として働いていたなら、通常であれば確実に加入しています

ただ、会社が雇用保険をかけていなかったというケースも耳にすることもあるようです。

会社を辞めて未加入に気づいた場合でも、2年間は逆上って保険料を支払えるので雇用保険に加入することができます

しかし、2年以上前は遡れないので、不安があるなら給与明細などをチェックしておきましょう。

失業手当はいくらくらい貰える?失業給付金の基本手当の計算方法

失業給付金の基本手当の計算は複雑なため、正確な支給金額はハローワークの窓口で確認することをおすすめします。

ここで紹介する内容は、おおよその金額を知る方法だと理解したうえでご覧ください。

失業給付金の総額を求めるときに必要な情報

失業給付金の基本手当の計算には、以下の情報が必要です。

【計算に必要な情報】
①賃金日額:基本手当日額を求めるため
②基本手当日額:1日当たりの金額
③所定給付日数:支給される日数

次で、それぞれについて順番に説明します。

① 賃金日額を求める

賃金日額は、離職前6カ月間(180日間)の賃金総支給額を対象に計算します。

【賃金日額の計算式】
 離職前6カ月間の賃金総支給額 ÷ 180(日間)

退職後、10日程度で会社から送られてくる「離職票ー2」を見れば、離職日以前の賃金状況1年分を月ごとに確認できます。

しかし、退職を検討し「失業手当はどれくらいもらえる?」と調べているなら、退職後に計算するのでは遅いかもしれません。

退職を考えているなら、直近6カ月分の給料明細で計算すればおおよその数字を確認できます。

また、賃金日額には「上限、下限金額」が設けられています。この数字は毎年改正されますが、以下の表は2022年9月現在の設定金額(令和4年(2022年)8月1日からの最新の適用金額)です。

離職日の年齡賃金日額上限賃金日額下限
29歳以下13,670円2,657円
30〜44歳15,190円2,657円
45〜59歳16,710円2,657円
60〜64歳15,950円2,657円

出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

② 基本手当日額を出す

基本手当日額とは、失業給付金の1日当たりの支給額と考えましょう。年齡と、最初に求めた賃金日額によって条件が異なるので注意が必要です。

【基本手当日額の計算式】
賃金日額 ✕ 45~80%

賃金日額に対して給付率に35%の差がありますが、この差は賃金日額が高ければ低く、賃金日額が低ければ高くなるよう設定されているためです。

詳細は厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」を確認してください。

基本手当日額にも、上限金額と下限金額が設けられていますが、この数字も毎年改正されます。ここでは、2022年9月現在の設定金額(令和4年(2022年)8月1日からの最新の適用金額)です。

離職日の年齡基本日当日額上限基本日当日額下限
29歳以下6,835円2,125円
30〜44歳7,595円2,125円
45〜59歳8,355円2,125円
60〜64歳7,177円2,125円

出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

③ 所定給付日数を掛けて支給総額を知る

所定給付日数とは、基本手当日額が何日分支給されるか、ということです。基本手当日額に所定給付日数を掛けた数字が、失業給付金の支給総額となります。

所定給付日数は、離職した日の年齡や勤続年数(被保険者期間)退職理由(自己都合なのか会社都合なのか)などによって異なるため、下の一覧表で確認しましょう。

参考:厚生労働省「離職されたみなさまへ

計算例

例として、以下のような状況で退職した場合に支給される失業給付金を計算してみましょう。

  • 離職した年齡:41歳
  • 勤続年数:18年
  • 退職理由:転職のため、自己都合退職
  • 退職した日:12月31日
  • 離職前6月間の総支給額:7月38万円、8月40万円、9月37万円、10月40万円、11月40万円、12月44万円で、合計239万円

上記の情報さえ把握すれば、おおよその支給額を計算することができます。

賃金日額を求める計算

  • 2,390,000円 ÷ 180日 = 13,277円(少数点以下切り捨て)

13,277円が賃金日額となります。

基本手当日額を出す計算

離職時の年齢が41歳、賃金日額が13,277円だったので、給付率は50%です。

  • 13,277円 ✕ 50% = 6,638円(少数点以下切り捨て)

6,638円が基本手当日額となります。

総支給額を調べる計算

基本手当日額6,638円を、所定給費日数で掛ければおおよその総支給額を計算できます。

自己都合退職の勤続18年なので所定給付日数は120日で計算しましょう。

  • 6,638円 ✕ 120日 = 796,560円

796,560円がおおよその総支給額と調べられます。

自分で計算する際の注意点

紹介した計算は、あくまでもおおよその金額を把握するための参考として理解してください。

計算が複雑であることや賃金日額や基本手当日額の上限は毎年変更されるころなどの理由から、自分の計算で正確な数字を求めるのは簡単ではありません。

数円単位までの正確な金額は、「ハローワークで申請してから確認できるもの」と理解しておきましょう。

失業給付金の基本手当の申請の流れ!受給手続方法

手続きは、すべて「ハローワーク」で行うことになります。

ここでは受給手続きについて、必要な準備する持ち物リスト、申請から給付までの流れを紹介しましょう。

受給手続きに必要な持ち物リスト

失業給付金の受給手続きに必要な書類などは以下の通りです。

  • 離職票ー1
  • 離職票ー2
  • マイナンバーカード
  • 印鑑
  • 写真2枚
  • 本人名義の通帳
  • 雇用保険被保険者証

入手方法や代替書類などの詳細は、下の表で確認してください。

リスト入手先や備考
1離職票ー1
  • 退職後会社から10日程度で送られてくる
  • 給付金振込を希望する口座番号を記入
  • 個人番号欄は申請時に窓口で記入する
2離職票ー2
  • 退職後会社から10日程度で送られてくる
  • 下部の写真貼付欄に上半身の写真を貼る
3マイナンバーカード
  • 別途申請が必要
  • 無い場合は以下①②の2種類で対応可
    ①個人番号通知カード、番号記載の住民票
    ②運転免許証などの身分を証明できるもの
4印鑑
  • スタンプ、シャチハタは不可
5写真2枚
  • サイズ「縦3.0cm✕横2.5cm」
  • 1枚は離職票ー2の写真貼付欄に貼る
  • 3カ月以内の上半身の写真
6本人名義の預金通帳
  • 離職票ー1の口座番号記入欄に金融機関による
    確認印があれば不要
7雇用保険被保険者証
  • 会社によって会社保管、自己保管のケースあり
  • 会社保管なら、離職票に同封されてくる
  • 申請必須書類ではないが加入の証。紛失に注意

詳しくは、厚生労働省「離職されたみなさまへ」を確認していただきたい。

関連記事:退職時に会社から受け取る書類は5種類!何の書類?いつもらえる?などの疑問を解決!

申請から給付までの流れ

同じタイミングで申請しても、退職理由によって給付までの期間に違いがあります。

自己都合、会社都合それぞれについて紹介しましょう。

自己都合退職会社都合退職
申請、受給資格決定
7日間の待機期間(7日間失業状態であること)
雇用保険受給者初回説明会(参加必須)
3カ月の給付制限
失業の認定
失業給付金の支払い開始

大きな違いは、自己都合退職では3カ月の給付制限が設けられていることです。

① 申請、受給資格決定

失業給付金を受給する本人が、ハローワークの窓口で申請する必要があります。

前述したリストの物を持参して申請し、書類の内容などにより受給資格の有無が決定されます。

失業給付金を受給できるのは離職日から1年間となるため、できるだけ早く申請するようにしましょう。

② 7日間の待機期間

受給資格決定から、失業状態が通算7日間経過するまでが待期期間です。待機期間中は失業給付金は支給されません。

③ 雇用保険受給者初回説明会

必ず出席する必要がある説明会です。この日、次回の失業認定日が決定します。

とはペースは4週に1度、失業状態を確認してもらうためにハローワークに出向く必要がある日です。

④ 3カ月の給付制限

自己都合退職者に限り、7日間の待機期間からさらに3カ月間の待機期間が設けられています

⑤ 失業の認定

前述した失業認定日に行われるのが、失業の認定です。失業状態であることや求職活動を行っていることなどを確認される日と考えておきましょう。

4週間に1回のペースで行われ、受給資格者証と失業認定申告書を提出します。

⑥ 失業給付金の支払い開始

失業の認定を受けてから、約1週間程度で支払われるのが一般的です。

次の失業認定日まで再就職が決まらなければ、再び4週間ペースで「失業認定→支払い」を所定給付日数分繰り返すことになります。

また、所定給付日数を残して再就職した場合でも「再就職手当」を受けられるため、積極的な就職活動を心がけましょう。

詳しくは、厚生労働省「離職されたみなさまへ」を確認してください。

まとめ

退職にはさまざまな不安がつきものです。

今の仕事に不満があり転職したくても、生活を維持するためのお金の問題で退職を諦めてしまうケースもあるでしょう。

しかし、失業給付金のおおよその金額を把握しておけば、どれくらいの期間を再就職活動に費やせるかなど、ある程度の計画を立てやすくなります。

また、年齡や勤続年数によって受給できる金額も変わるため、どのタイミングで退職すれば効率的なのかも判断材料にもなるでしょう。

もし、退職を考えているなら、これらの情報を知り転職活動に最適なタイミングを探ってみてみるのも1つの方法です。

関連記事:退職後の健康保険はどうする?任意継続と国保お得なのはどっち?手続き期限は?