「年収を増やしたい」「給料を上げたい」など、現在の賃金に不満を感じて転職を検討している人も多いでしょう。
では、実際に転職を経験した人は転職後の賃金に満足しているのでしょうか。
結論から伝えると、転職後の賃金に対して不満を感じている人よりも満足している人のほうが多い傾向にあります。
この記事では、厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」を参考に、転職による給料の上下傾向や転職後の給料への満足度など、賃金に対する傾向を解説します。
転職後の給料は上がる?下がる?年齢や会社の規模による傾向
以下のように、転職によって給料が上がる人もいれば下がる人もいます。
- 転職により給料が上がった人:40.3%
- 転職により給料が下がった人:38.7%
- その他(変化なし、不明など):約20%
※厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」より、20〜59歳を対象に算出
若干ですが、給料が上がったという人が多い傾向にあります。
転職する人にはそれぞれの目的や事情があるため、年収アップだけが転職の理由とは限りません。ただ、転職による賃金の変化はもっとも気になる項目の一つではないでしょうか。
ここでは、転職による給料の増減割合を紹介し、性別や年齢、会社規模による傾向などを解説します。
転職による給料の増減割合
転職後の給料は、どのくらい上がったり下がったりするのが一般的なのでしょうか。
給料が上がった人と下がった人それぞれの、増減割合は以下の通りです。
給料が上がった人 |
3割以上の増加 | 7.4% |
1割以上3割未満の増加 | 21.2% | |
1割未満の増加 | 11.6% | |
給料が下がった人 |
3割以上の減少 | 11.3% |
1割以上3割未満の減少 | 17% | |
1割未満の減少 | 11.7% |
※厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」を参考に、20〜59歳を対象に算出
転職により給料が上がった人、下がった人、どちらも「1割以上3割未満」の割合がもっとも多くなっています。
性別や年齢による転職後の給料増減傾向
転職による給料の増減ですが、性別や年齢ではどのような傾向があるのでしょうか。
男女別で見てみると、以下のようになっています。
増加した | 減少した | 変化なし・不明 | |
---|---|---|---|
男性 | 37.5% | 41.2% | 21.3% |
女性 | 41% | 38.6% | 20.4% |
※参考元:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」
男性は減少した人が増加した人を上回り、一方の女性は増加した人が減少した人を上回っています。
続いて、年齢による傾向です。
増加した | 減少した | |
---|---|---|
20〜24歳 | 46.5% | 33.2% |
25〜29歳 | 46.3% | 33% |
30〜34歳 | 48.6% | 32.8% |
35〜39歳 | 40.6% | 37.7% |
40〜44歳 | 41.7% | 37.4% |
45〜49歳 | 39.7% | 32.5% |
50〜54歳 | 27% | 53.2% |
55〜59歳 | 32.1% | 49.9% |
※参考元:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」
給料が上がったとするもっとも多い年代は「30〜34歳」でした。20代から40代半ばまでは40%以上の水準なので、転職により給料は上がる可能性もあることがわかります。
50歳以上になると、転職による給料アップ割合が低くなる傾向が見られました。下がった人の割合も50%以上と高くなっています。
転職先の会社規模による給料の増減
会社規模によっても給料の増減に違いはあるのでしょうか。
転職先の会社規模別による給料の増減傾向は以下の通りです。
増加した | 減少した | |
---|---|---|
1,000人以上 | 38.6% | 38.6% |
300〜999人 | 39% | 39.6% |
100〜299人 | 37.9% | 41.5% |
30〜99人 | 37.3% | 41.2% |
5〜29人 | 40.2% | 39.4% |
※参考元:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」
従業員数による会社規模では、増減ともに大きな違いはありません。会社規模ではなく、業界や職種によって給料の相場は異なるということではないでしょうか。
転職後の給料への満足度は高い!
転職により給料が上がる割合は約40%と半数以下ですが、転職後の給料に満足している人は少なくありません。
厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」によると、転職後の給料が不満足としている人27.1%に対し、満足と回答した人は46.6%と高い水準です。
傾向としては従業員数の多い企業での満足度が高く、1.000人以上の企業では58.8%の転職者が満足と回答しています。一方、不満と回答した人の割合が多いのは30〜99人規模の会社です。
会社規模による手当や福利厚生、賞与などの違いが、調査結果に反映されたのかもしれません。
転職で給料を上げるためのポイント
厚生労働省の調査を参考に傾向だけで判断すれば、転職で給料を上げるポイントは「20代から40半ばに転職する」ことになります。
ただ、調査対象の人が転職した理由は賃金アップだけが目的ではありません。
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人間関係に悩んで転職した人もいれば、自分に合った働き方を実現するために転職した人もいます。
給料を上げるための転職で重要なのは、自分の強みや弱みを知り、自分に合った会社を選ぶのがポイントです。自分に合った職場なら高いモチベーションを保ち、やりがいを感じながら働けます。正当に評価してくれる会社なら、給料アップにもつながるでしょう。
業界や職種の給料相場も重要です。今と同じ業界や職種を転職先に選ぶと給料が変わらないケースもあります。自分のスキルや経験が活かせる今とは異なる業界や職種はないか調べてみるのもおすすめです。
また、毎月決まっている給料だけでなく、手当や福利厚生、賞与なども無視できません。求人情報や企業のホームページで調べたり、実際に働いている人に聞いたりすることも、転職後の給料アップにつながります。
「転職が不安すぎる…不安に感じやすいことや不安を解消・解決する方法」では、転職の不安を解消し有利にすすめるための具体的な方法を紹介しています。自分に合った会社に転職して給料を上げたい人は、参考にしてみてくだい。
まとめ:転職で給料が上がる人は約40%で満足している人は46.6%!20代から40半ばでの転職で多い傾向
厚生労働省の調査によると、転職で給料が上がる人は約40%、下がる人は約39%です。また、20代から40代半ばまでの転職で、給料が上がる人が多い傾向があります。
転職後の給料には満足している人が多い傾向にあり、転職者の46.6%が満足と回答しています。
ただ、転職する理由は人それぞれです。この調査は給料アップのために転職した人の結果ではないので、転職全体の傾向として参考にしてください。
転職で給料を上げるなら、自分を活かせる業界や職種、企業への転職を目指してみましょう。