少年スポーツ(スポ少)の試合中に「特別な場面」と言われるシーンで平常心を保つためには、どう向き合うべきかを考えます。
どんなに試合を重ね経験を積んでも、必ず訪れる「特別な場面」をどのようにして平常心を保ち向きあうことができるのか?
平常心を保つのに邪魔とされる「緊張」ですが、平常心と関係性はあるのか、考えてみましょう。
少年スポーツで緊張する場面は?その緊張とは?
スポーツの試合で言われる「緊張」とは、どのようなことなのでしょうか。
一般的にスポーツで緊張する場面を挙げた上で、その緊張とは何なのかを考えましょう。
少年スポーツ(スポ少)で緊張する場面
一般的に少年スポーツ(スポ少)の試合で緊張するのは、以下のタイミングなどではないでしょうか。
- 試合前
特に初戦や、そのチームでの最後の試合などでしょうか。また、決勝戦など重要な試合前は緊張するものです。 - チャンス
自分が結果を出せば得点が入る場面など緊張してしまい、いつもとは違う心境になりやすいのではないでしょうか。 - ピンチ
対戦相手が得点する選択肢が多いほど、緊張してしまいます。試合の終盤に追いつかれそう、逆転されそうな場面では特に緊張してしまいそうです。 - 初めてのこと
人生で初めての試合や、そのチームに所属して初めての試合出場などは緊張しそうです。
少年スポーツ(スポ少)の試合での緊張って何?
選手によって「緊張しない」「緊張する」と全く真逆の意見が出るのは、選手それぞれ「緊張」の意味の捉え方が異なるためです。
選手それぞれの心の準備によって違いがあり、試合や場面に対し「楽しみ」と「不安」という真逆の心理、「俺がやってやる」と「次に繋げよう」という真逆の考えなど、選手の考え方や性格によって違うのです。
そのため、一概に緊張「しない」「する」という本人の言葉だけで、その選手が「緊張しない大物だ」「何事にも動じない精神力だ」とか、「緊張する小心者」「気が小さいから向いていない」と決める必要はありません。
不安を隠すために「緊張しない」という子供もいますし、試合への気持ちが強く「緊張する」と表現する子供もいます。
よって、スポーツでいう「緊張」はその選手のメンタルの強さとは関係ありません。
一般的には「緊張したらダメ」とか「緊張する必要ない」など言われますが、私は緊張しないとダメだと考えています。
スポーツは緊張するから集中できるのです。それによりスポーツにおける平常心を保てると考えています。
少年スポーツ(スポ少)の試合での集中とは?集中力を高める方法
少年スポーツ(スポ少)の試合における集中とは、どのように考えるべきなのでしょう。
集中力を高めるために、緊張を集中に変換する方法も紹介します。
自分が試合をやっているという意識だけ
団体球技などのスポーツでは、自分が試合をやっているという意識を持つことにより集中できます。
特に少年スポーツでは「ボールを持ってない」や「自分の順番ではない」など、さまざまな場面で自分には関係ないと考えてしまうケースがあります。
そのため、試合中に何度も集中が切れ、集中力を保てずにミスを繰り返してしまうのです。
子供の試合の場合、野球では守備時やほかの選手が打者のとき、サッカーでは自分の遠くにボールがあるとき、またベンチメンバーでは試合すら見てない子供も珍しくありません。
スポーツの試合における集中力は、試合開始後に下がることはあっても上げるのは難しいことです。
試合に入ったときの集中力がMAXと考えれば、どれだけ試合前に集中力を維持できるかが重要です。
集中力を高める方法
試合前に集中力を高める方法が、「緊張する」ことです。
試合前には「早く試合がしたい」「練習の成果を出したい」「準備はしたけど上手くいくかな?」「絶対に勝つ」「絶対に優勝する」など、さまざまな意気込みや不安を考えます。
結果、考えれば考えるほど緊張するでしょう。
しかし、この緊張がいつもの自分ではないくらいの集中力を高めてくれるのです。
よく指導者から「考えても緊張するだけだからリラックスしろ」といわれます。
ただ、子供それぞれの緊張の捉え方は異なるので、効率の良いリラックス方法など分かるはずがありませんし、教えられることではありません。
例えば、その競技をしてない人が突然試合に出ることになったら、試合前に緊張することはありません。そこでの感情は恥ずかしいだけです。
試合に向けて厳しい練習をしてきたから、試合前にさまざまなことを考えて「緊張」できます。
その緊張が集中力に字変換されるため、緊張は練習を重ねてきた選手だけが手に入れられる「財産」なのです。
毎日一所懸命練習した結果により自信や技術・体力など身についたことを試合で試します。その緊張感が、集中力を高めてくれるのです。
試合前に緊張を集中に変えて維持する考え方
試合に入ってからも色々頭の中で考えては、練習の成果を発揮できません。
特に団体球技では、試合中に自分の頭を整理する時間など誰も待ってくれないので、試合が始まったと同時に緊張を集中に変える必要があります。
集中するためには声を出すことです。
これを言うと必ず「スポーツに声は必要ない」とか「声を出す意味がわからない」や「声を出さなくても強いチームがある」と言わますが、スポーツ、特に団体球技では「声を出す」のがもっとも重要です。
なぜ少年スポーツで声を出すべきかいうと「集中力が保てる」からです。
集中力を保っている状態が、少年スポーツの試合中でいう平常心です。
平常心を保つためのたった1つの考え方
少年スポーツでいう「平常心」とは、普段の生活での平常心ではありません。
少年スポーツでいう平常心
少年スポーツでいう試合中の平常心は、ハイテンションで楽しい気持ちで集中している状態。普段の状態ではなく、特別に楽しいことをしているときの気持ちです。
平常心を保つ考え方
試合で平常心を保つためには集中力を保つということです。集中力は声を出し続けることで保てます。
試合前や試合中に声を出し集中し続けることができれば、どんな特別な場面であろうと余計なことを考えず、平常心で練習の成果を出せるのです。
まとめ
少年スポーツで平常心を保つには声を出すことです。
試合中に平常心を保てれば、どんな場面でも同じ気持ちでプレーできます。
ぜひ、この記事を読んだ保護者の方は、子供へ伝えてみてください。
子供の部活の試合を観に行くと、声が出ていない選手ばかりです。良いプレーはできないし、集中しているように見えません。
「声出せ!」と指導者から怒鳴られ仕方なく小さな声を出している選手、それでも出せない選手もいます。
試合中に「声を出せ」と言われた時点で、その選手は集中できていません。声は試合前の準備によって自然に出るものです。
団体球技においては、試合中に目を瞑って精神統一など集中力を上げる時間はありません。そのため、常に声を出し集中力を持続させ平常心でプレーする必要があります。
試合前に「緊張する」ことを悩んでいる選手へ。緊張するのは、それだけ試合への責任感があること、真剣にスポーツを楽しもうとしている証拠です。
指導者や保護者の方は、「楽に」とか「リラックス」など具体的ではないアドバイスを送るより「特別なことをするのだから、緊張するのは大切だ」と言ってあげてください。
技術が伴ってくると、素晴らしく成長すると思います。