少年スポーツ(スポ少)では競技にもよりますが、練習中や試合中の怪我はつきものです。
特に接触プレーが多いスポーツの試合では、骨折など大きな怪我につながるケースもあります。
高校生以上のスポーツでは、トレーナーがいることや他の選手もある程度のフォローができるので、応急処置や病院までの移動もある程度スムーズです。
しかし、特に小学生のスポーツ現場では、怪我をしても指導者しかいなく、さらに応急処置などフォローできる選手はいません。
少年スポーツではこういった「緊急事態」には、保護者が対応する必要があります。
怪我以外も小学生には、大人では考えられない事態が起きることがあります。
今回は自分の子供をチームに任せ、万が一のときにスムーズに対応できるように、普段から心掛けるべきことを考えていきましょう。
保護者は時間が許す限り子供のスポーツに付き合うべきか?
最近、「昔と違って親が練習まで見に来るのっでどうなの?甘やかし過ぎじゃない」という意見が聞かれています。
ホントにそれは甘やかしなんでしょうか?
ここでは、昔の少年スポーツ団の状況に触れ、保護者の付き添いについて考えます。また、私の経験談も紹介しましょう。
昔の少年スポーツ団の状況
全てのチーム、ということではありません。私が経験したチーム状況を説明します。
私が小学生のときは、まだ「昭和」です…。
この当時は確かに、練習に父母が見に来ることはありませんでした。また、試合でさえもいつも決まった数人が遠くから眺めているだけです。
そして、当たり前ですがチームの手伝いをしてくれる保護者の方もいませんので、全て指導者が1人でやってました。
怪我をしたら病院へ連れて行き、保護者に連絡するも連絡が取れなかったり(当時は携帯電話がありません…)、試合会場までの送迎も1人で何往復もしたり…。
さらに指導者の自家用車は移動式の用具入れという役割になってしまい、自家用車とは呼べない状態になってました。
他にも試合の審判やったり大会運営の手伝いをやったりと、指導者というのは休む暇なく忙しそうにしていた印象しかありません。
そして、小学生スポーツでは、全てこれをボランティアで行っています…。
当時の保護者の方々は休日も子供を預かってくれる「便利な所」という感覚だったのではないでしょうか?一度も見たことのないチームメートの親がほとんどでした…。
しかし、チームが少し強くなってくると、少しずつですが試合を観に来てくれる保護者の方も増えていくのです…。
こんな感じでしたので、当時のスポーツ少年団の感覚しかない方は、今の少年スポーツは「子供を甘やかしている」と思ってしまうのかもしれません。
少年スポーツでの保護者の付き添い
今の少年スポーツでは、保護者が練習や試合に付き添うことを「子供を甘やかしている」とは考えてはいけません。
「過保護」だという意見もありますが、私は自分の子供を預けているのに「無責任」という意見の方が正しいと思えます。
例えば預けっぱなしだと、自分の子供が怪我をしてもすぐに自分で病院に連れて行くことができません。
もし自分がそこにいなければ、他の保護者の方が連れてってくれることになります。指導者は他にも多数の子供がいますので、すぐに動くことができないのが現状です。
自分がいないときに子供が怪我をして、さらに他の保護者の方に迷惑をかけてしまう、というのは避けたいところです。
でも、保護者同士が顔見知りだと話は変わってきます。「○○さんの子供が怪我したから私が病院へ連れて行きます」となるのです。
全く親の顔を見たこともない子供を病院へ連れて行くことも、もちろん誰も文句も嫌な顔もしませんが、「いつも来ないけど、どうなっているんだろう?」ってくらいは考えてしまうでしょう。
もちろん仕事や家庭の事情などが一番大切ですし優先するべきだとは思いますが、時間が空いているなら、子供のチームに顔を出して誰が誰の親だとか、子供たちの名前を覚えたりするのは大切なのです。
それは「甘やかし」とか「過保護」とかではなく、保護者として大人としてのマナーではないでしょうか。
別に自分の子供が動いているから「観たいっ!」という理由だけで、練習や試合を観に行くわけではありません。
何かある可能性があるから、その場にいて対応できるように毎回保護者は、自分の子供のため、そしてチームのために練習や試合に足を運んでいるのです。
ただ、指導者や他の保護者の陰口や、試合や練習方法などには絶対に口を挟まないようにしましょう…。
子供の試合を観に行けなかったことで後悔した実例・経験談
話は逸れますが、私は数年前に会社を辞めました。辞めた理由はさまざまですが、そのひとつに子供のスポーツで迷惑を掛けてしまったと強く後悔したからです。
私の子供は少年スポーツで「骨折」しましたが、そのとき私は仕事で出張へ行ってました。子供にも保護者の方にも迷惑をかけてしまい、本当に申し訳なく思っています。
皆さんは「仕事だからしょうがないよ」と言ってくれますが、ほとんど仕事で試合に行けないのに怪我の可能性があることを子供にやらせておいていいのか?と考えました。
その当時は、試合も行けるときは顔を出していたため保護者の皆さんと多少顔見知りだったので、お礼もすぐに言うことができました。本当に顔を知ってて良かったです。
皆さんも子供が怪我をするようなスポーツをしているなら、時間が許す限り顔を出しておいたほうが良いと思います。
もちろん、仕事は大切ですし休めないことだってあります。そしてそれは他の保護者も理解しているので、「行けない…、どうしよう」など悩む必要はありません。時間があればという話です。
行けるときに行って、会釈して「○○です。いつもお世話になってます」と話すだけです。それも、子供のための大切な行動になります。
まとめ
今の複雑な少年スポーツの世界では、保護者の手伝いは必要です。
「甘やかし」「過保護」ではなく、「責任」と考えましょう。
子供が中学生になると親が観に来ることを嫌がる時期になります。
しかし、保護者は子供のプレーを観るだけではなく、緊急時に指導者へ任せきりの無責任ではいけません!
行けるなら、子供に嫌がられても我慢して顔を出すようにしましょう。