最近スポーツ界では指導者の立ち場を利用した「パワハラ」が取り沙汰されています。
それによって生まれたのが「選手ファースト」という言葉です。おそらく選手が1番上の立ち場で、さらに選手が指導者を選ぶ立場にあるといった感じの意味があります。
昔からあった言葉かもしれませんが、私は聞いたことがありませんでした。
最近少年スポーツ(スポ少)の現場に行くと「選手ファースト」という言葉を使う保護者も少なくありません。
しかし、私は少年スポーツ(スポ少)に「選手ファースト」の関連は薄いと考えています。
もちろん個人競技にはあると思いますが、団体スポーツにおいてはあり得ないことではないでしょうか?
今回は少年スポーツ(スポ少)の団体競技においての「選手ファースト」について考えていきましょう。
選手ファーストの前に重要なのは環境への感謝!
選手ファーストは、すべてのスポーツ選手に当てはまることではありません。
すべてのスポーツに当たり前の環境などないのです。そのスポーツを楽しめたり学べたりするのは、自分以外の誰かが環境づくりをしてくれているからと理解しましょう。
少年スポーツではほとんどの場合、チームに所属するだけで指導者と試合に必要な人数が揃うという環境が手に入ります。
そして休日には試合会場が準備され、大会運営や審判員も当然のように準備される環境もあります。
少年スポーツに携わっている大人たちは仕事をしているにも関わらず、休日すべてを少年スポーツの運営や選手の育成に使っているのです。
少年スポーツをやるなら、まずこういった素晴らしい環境を維持しいる人達への「感謝」を選手たちは1番に感じなければなりません。
指導者は必ず「親に感謝しろ」と言います。
しかし、本当に少年スポーツで感謝すべきは、自分の親よりもその環境をつくってくれいる「家族以外の大人」だということを、子供に伝え理解させることが重要です。
関連記事:少年スポーツ(スポ少)で審判の判定に子供が不満な態度を取るのはダメな理由
保護者の考えが子供を支配するという悪影響…
少年スポーツは、今後そのスポーツを続けるか否かを判断する時期でもあるかもしれませんが、重要なのは「今後のスポーツ人生の基礎を作る時期」ということです。
その時期に、都合の悪いこと指導者のせいにしたり、試合結果を審判のせいにしたりすると、今後のスポーツ人生で間違いを起こしてしまうかもしれません。
こういった間違った考えを持つ選手は、ほとんどの場合「保護者」によるものが多いと感じます。
指導者より自分の言うことをきいてほしいという保護者がかなり多いのです。
チームの指導者やチームメートを、我が子が試合をするための環境としか考えていないのでしょうか?
自分の子供は自分の考えで自由にやらせたいから、試合に出してくれればいいという考えの方が本当に多くいます。
家で指導者の悪口ばかりを子供に聞かせ、自分の考えばかりを子供に押し付けてしまうと、子供を支配しているのは保護者ということになります。
そうなると少年時代の多感な時期に、親以外の大人を尊敬するという大切な経験ができません。それを妨げているのは、紛れまなく保護者となります。
関連記事:少年スポーツ「指導者が悪い」と言う保護者の問題点!スポ少を通じ子供に理解させる大切なこと
平気で大人を見下す子供に…それでも選手ファースト?
「監督がやれといったからやった」負けた原因やミスした原因を指導者のせいにしてしまう選手がいます。
まるで、自分が思い通りにやれば、勝てたと言わんばかりにです。
負けるための指示やミスするための指示を出す指導者などいません。
それをできなかったのは選手であり、指導者指示通りにして失敗したからのは選手です。その失敗まで指導者が悪いという考えになっているのです。
また「やる気が出ない」練習でよくある話ですが、この場合も「練習が厳し過ぎる」とか「このメニューの方がいい」など、言いたい放題でやる気が出ないのを指導者のせいにします。
そして、そのやる気がないことを見抜かれ厳しく指導されようものなら「パワハラだ!」と…、本当に勝手なことではないでしょうか。
自分がサボっていたことで怒られているのに、今まで教えてくれていた指導者に対して「パワハラだ!」と、自分は被害者だと言わんばかりに…。
関連記事:少年スポーツ(スポ少)の監督やコーチが試合中に怒鳴る理由?指導者が怒るのかを理解する気持ちと行動
とにかく指導者は、気持ちの入っていない態度や手を抜いたプレーは許しません。
それ以外のことで怒る指導者なら、考えたほうがいいかもしれませんが…。
指導者を選ぶのは個人競技に限ったこと!
「あのコーチ使えない」という話を試合会場でしている保護者を見たことがあります。
でも、団体の少年スポーツでは、それはどうすることもできませんし、そのチームでやるしかないのです。
特にスポ少や中学の部活・クラブチームでは、ある程度の地域が決まっているので、他のチームに移ることはあまり受け入れられるものではありません。
関連記事:中学校の部活における越境問題|越境生徒がいる理由?越境による影響は?
前のチームの指導者が合わないからチームを移籍する子供と保護者を快く受け入れるチームは、実際にはあまりないのではないでしょうか。
個人スポーツなら、お金をかけて個人的にコーチを依頼する競技もありますが、少年の団体スポーツではあり得ない話です。
まず、少年スポーツで指導者に納得できないなら、その指導に不満を言うより成長のため一所懸命練習することだけを子供に伝えましょう。
もし、将来のある有望選手なら、どんなチームにいても次のスッテプに「大人たち」が導いてくれます。
まとめ
少年スポーツにおいての選手ファーストの考えでした。
子供の未来を切り開くには、親だけではなく他の大人の力も必要です。
子供の人生のために多くの時間を使ってくれた指導者などの大人に対して、ダメ出しをしてしまう選手には明るい未来があるとは思えません。
少年スポーツを指導してくれる人、その試合を運営してくれる人、少しでもお世話になった人には感謝することが大切です。
そうすることで、未来が開けるでしょう。