少年スポーツでは、本当に驚く保護者を見かけることがあります。
当然、我が子を想っての行動でしょうが、周りを凍りつかせる言動や行動で、チーム全体のモチベーションを低下させてしまうことも少なくありません。
また、トラブルの原因になる可能性もあります。
今回は、私が実際に見たヤバい保護者の話を紹介しましょう。ヤバい保護者によって、どのような影響が起こるのかも考えていきます。
「ウチの子は次の試合に出るんですか?」と大会中に指導者へ発言する保護者
中学生スポーツでの話です。
公式戦が1日に2試合あるときでした。
1試合目が終わり、指導者が保護者に挨拶にきたとき、見かけたことのないお母さんが発言したことです。
「ウチの子は次の試合に出るんですか?」
何の躊躇もなく放った言葉なので、恐らく自分の発言に疑問を持っている感じではありません。
予想外の言葉を浴びた指導者は困惑、周りにいた保護者は言葉を失っていました。
指導者は言葉を選んで話すように「公式戦は登録メンバーしか出られないので、次回メンバーに入れるように頑張ってもらいましょう」。
すると、その保護者は「次はいつですか?そのときは出れるんですよね?」。
指導者は「まだ先の話なので、誰がメンバーに入るか決まっていません。出れるように頑張ってください」。
指導者は、それで話を切り、ほかの保護者に挨拶をして戻っていきました。
その後も保護者は「どうして、全員試合に出れないんですか?」など、指導者に向けで発していたようです。
「ウチの子は次の試合に出るんですか?」3つの悪影響
保護者が指導者に対し発した「ウチの子は次の試合に出るんですか?」には、以下3つの悪影響があります。
- 指導者への悪影響
- ほかの保護者への悪影響
- 子供への悪影響
指導者への悪影響
指導者への悪影響として考えられるのは、選手を自由に使いづらくなることです。
特定の保護者から自分の子供を使うように依頼されることは、意外と少なくありません。
電話で頼まれるケースも稀にありますが、ほとんどのケースでは世間話や飲み会の中で冗談ぽく話す感じです。
しかし、今回は公式戦の場で、周りにほかの保護者が大勢いるところで「ウチの子は次の試合に出るんですか?」といっています。
指導者は
- その子供を使うことで「いわれたから使った」と思われるのでは…
- ほかの子供を使うことで「なぜその子供を使ったのか」とまた何かいわれるかも…
など、さまざまなことを考えてしまい、選手を自由に使いづらくなるのです。
ほかの保護者への悪影響
ほかの保護者への悪影響として考えられるのが、指導者への不信感です。
例えば、「ウチの子は次の試合に出るんですか?」といわれた後、その子供を少しでも使ってしまうと、ほかの保護者はどう感じるでしょうか。
「いわれたから試合に使った」と考える保護者も少なくありません。
こうなると、保護者の気持ちはチームから離れてしまいます。
今までの積極的にチームの手伝いをして支えてくれてい保護者の方たちが、チームから離れてしまうのです。
当然、指導者としては、いわれたから使ったわけではなくても、そういった発言の後はトラブルにつながりやすくなります。
子供への悪影響
子供への悪影響で考えられるのは、ほかの子供たちよりも発言した保護者の子供の気持ちです。
自分の親が指導者に対し「試合に出して」といったことを知ったら子供は傷つきます。
自分が試合に出れない理由は本人も理解したうえで、試合に出れるようになるために日々練習しているのです。
「試合に出して」といったことを知ったら恥ずかしくて悔しい気持ちになり、指導者と顔を合わせるのが嫌になるでしょう。
親に対しても、我慢できないくらいの感情を抱いてしまいます。
チームメートに対しても、「試合に出してもらうことを親から指導者に伝えてもらった奴」と考えられているのでは?と思い込み、一緒にいるのもつらくなるでしょう。
もう本人の気持ち的には、そのチームにいること自体が難しくなるです。
「ウチの子は次の試合に出るんですか?」後日談
結局、その子供は数週間後にチームを去ってしまいました。
ある日の練習前、その子供は泣きながらチームを辞めると伝えてきたそうです。
理由は最後までいわなかったようですが、話を聞ける状態ではないほど泣いていたとか…。
そして最後に「すいませんでした」と指導者に伝え、チームを去っていきました。
保護者のやったことは間違えです。子供のためにと考えた気持ちはわかりますが、やり方は間違っています。
中学生くらいの年頃では、もっとも親にやってほしくないことです。
指導者に「すいませんでした」と伝え辞めたときの子供の気持ちを考えると…。
この保護者の行動が、1人の少年のスポーツ人生をダメにしてしまったかもしれません。
まとめ:少年スポーツにおける保護者は応援する人
試合に出る選手を決めるのは、子供でもなければ保護者でもありません。指導者です。
試合に出たいなら、指導者に言葉で訴えるのではなく、目に止まるような選手になるしかありません。
そのためには、日々の練習や自主トレなど努力する必要があります。
少年スポーツで保護者がするのは応援と手伝いだけです。試合の方針や選手の出番などには関与するものではないので、注意しましょう。