少年スポーツ(スポ少)では試合前などに「全然緊張なんてしない」という選手もいます。
ただ、本当は緊張しているのに「緊張していない」など、緊張するのはダメなことだと考え隠している子供も少なくありません。
これは、緊張するのは「臆病なこと」や「気が小さいこと」など、勘違いしている保護者や指導者が、普段から「緊張なんかするな!」と子供たちに言い続けているのが原因です。
「ウチの子は緊張しないんですよ」や「物怖じしないタイプなんですよ。私に似たのかな?」など、本当に多くの保護者の方から聞かされます。
しかし、私が「ウチの子は緊張します」と答えると、「えっ?」という顔をされ「大丈夫?」など笑いながら心配されるのです。
私は「少年スポーツの試合を緊張せずに臨むのは決して良いことではない」と考えています。
この記事では、父母や指導者から「緊張するな!」と言われている子供たちに影響する問題点に触れ、どのように考えて改善すべきかを紹介します。
少年スポーツ「緊張するな!」を言う理由と問題点
「緊張なんかして、気が小さい」や「なんで緊張なんかするかなぁ?」など、さまざま保護者や指導者から聞くことがあります。
まず、緊張することが恥だという考えは、全くの間違いです。
これから試合という戦いに挑むのに、緊張しない方が自然ではありません。
ここでは、保護者や指導者が「緊張するな」と言う理由と問題点を考えていきましょう。
保護者や指導者が「緊張するな!」と子供に伝える理由
緊張=気が小さい。と考えてしまっている方がほとんどのように感じます。
そのため、自分の子供は「物怖じしない大物だ」と思われたい考えから「ウチの子は全く緊張しない」などと言ってしまう保護者の方が多いのでしょう。
そのため「緊張するな」と言って、緊張することは悪いこと、という考えを子供に押し付けているのです。
ただ、少し考えてみてください。自分が子供の頃、人から「緊張するな」と言われたくらいでリラックスできたでしょうか?
「緊張するな」と言われたら、緊張してないフリをしていませんでしたか?
問題は子供が緊張してないフリをしてしまうこと
「緊張してない」と言うのは、親や指導者から緊張するなと言われているから言うだけです。本当は緊張してします。
緊張していないフリをするので、試合前にその緊張を集中力に変える大切な準備ができなくなってしまいます。
緊張しているのがバレないようにすることしか考えられなくなるのです。
その結果、試合に気持ちが入れずに流れにも乗れず、手を抜いているかのようなプレーをしてしまいます。
本人はそのつもりではなくても、ほかの集中している子供とは全く違うテンションで、試合に臨むことになるのです。
特に団体スポーツでは、1人だけ動きが悪いと非常に目立ってしまいソコを相手チームに狙われ、取り返しのつかないことになります。
「緊張するな」と言われ、その振る舞いをしたばかりに、大切なチームの試合を壊しかねないということです。
試合は緊張するから活躍できる!
緊張するということは、その試合のことを強く考えていること。
これは大切なことで、これから試合で相手チームと戦うことを、真剣に普段では考えられないくらい集中し考えている証拠です。
試合の直前まで緊張し続けてアップの時間に大声を出し、一気に緊張を集中力に変えることで、普段では考えられないくらいのテンションで試合に臨む準備ができます。
選手全員が緊張感をもって、アップで一気に集中したときのチームは凄い力を発揮します。
大きな試合になればなるほど、緊張も大きくなり集中力も増すのです。
とにかく、緊張するのも選手なら、緊張を集中に変えるのも選手。
試合前に集中し口数が少なくなっている子供に、保護者が掛ける言葉など存在しません。
試合前、無責任に「緊張するな」という父母の言葉は、少年スポーツでは必要ない言葉です。
しかし「緊張するな」の言葉にもう一言添えて、その意味をキチンと伝えることができるなら、声を掛けてあげることも子供にとって良いことかもしれません。
まとめ
少年スポーツにおける保護者による「緊張するな!」についての考えでした。
本当に「ウチの子は緊張しない」と言う保護者の方は多くいます。なんて答えていいか分かりません。
「物怖じしない」「大物かも」など、経験の少ない少年スポーツで、皆が皆そんなことはありません。
少年スポーツで本当に緊張しない原因のほとんどは、まだ子供だからなだけです。練習で経験を積んで、緊張できる選手になってもらう必要があります。
もし、「ウチの子は緊張しないんですよ」と言う人がいるなら、言われた方は困ってるので注意してください。
私の子もあなたの子も普通です。緊張もすれば集中もします。そして試合で勇気を出して戦って勝つ。それだけです。